今日の高聾

令和6年度一般救急講習

本校職員を対象とした標記の講習会が7月30日に行われ、小樽消防署を招聘したAEDを使用した救命措置等についての訓練を行いました。
緊急時の対応は、どうしても音声情報中心となりがちです。例えば、電車乗車中の緊急停車や到着時刻遅れの放送なども、たいていは音声情報になります。車内のディスプレイに表示される情報は、たいてい非常に限定的で定型的な情報であり、必ずしも今、すごそこで起こっていることについて実況する情報が視覚化されるわけではありません。
ですから、今目の前に人が倒れたときの対応も、相当な範囲が音声情報に依存することになります。周囲に声を掛ける、AEDを持ってきてもらう、119番に電話連絡する‥
このような緊急時において聴覚障がいの方が向き合うことになる現実に聴者側が目を向けるといった意味でも、今回の研修は非常に良い機会になるはずです。
また、今回の研修では、聴覚に障がいのある職員も参加しており、研修担当や校長が手話通訳等の情報保障を行っています。聴者中心に構成された社会環境における緊急時への対応には、改めて難しさもあるわけですが、当事者自身も含めてその難しさについて客観的に知り、その上で可能である具体的な対応を考えていく(電話連絡と胸部圧迫の役割を交換することを要請できる、といった)という観点は重要だと考えます。改めて、本校における職員の研修体制においては、聴覚障がいのある職員も多く在籍することを前提とし、必要な環境整備と合理的配慮ができる体制を常に構築できるようにしていかなければなりません。そういう気づきを得る機会としても、非常に重要な機会であったと考えます。

夏期休業手話特別研修

本校では、生徒が不在の長期休業期間、一定のまとまった時間が確保しやすいことから、日本手話ネイティブのろう者で、かつ、専門の指導技術講習を受けられた外部講師を招聘しての手話研修を例年行っています。今年度も夏季休業時の研修を7月30日に行いました。
日常的に手話の研修は、短時間を繰り返す構成で行っていますが、長期休業中の研修では、日本手話の文法事項の中でも聴者にとって習得しづらい要素であるNMM(Non Manual Markers)やCL(classifier)を中心に学習します。今年度、新たに異動された職員にとっては始めて触れる話も多くあり、なかなか刺激的な内容になったようです。
この研修は、生徒と単に通じるための手段以上に、生徒が学びを深めるために不可欠な教師側の言語学習という側面もありますし、「聾学校」の教育職員を対象とした研修体制における重要な構成要素となると考えます。今後も授業の質の向上に向け、継続的に取り組んで参ります。

(美術部)高文連支部大会に向けて

夏休みを直前に控えた7月下旬、美術部の制作活動は、8月下旬の高文連後志支部の地区大会に向けて制作活動が熱気を帯びています。
F30号のキャンバスというある区切られた範囲ではありますが、一人一人の世界観が空間内に展開されていきます。制作時間が限られるなど、何かと制約の多い制作活動にはなりますが、生徒達の創造性が夏の日差しが差し込む教室の中、きらきらと輝いています。
大会は、8月28日水曜日から30日金曜日まで、市立小樽美術館で開催予定です。