活動の紹介・新着情報
筑波技術大学との連携授業による学校訪問:情報デザイン科の授業風景
令和5年8月5日(土)、筑波技術大学との連携授業の一環として、専攻科1年生3名が筑波技術大学を訪問しました。
これまでに小樽文学館の展示に係り、AdobeAeroを使って制作されたAR作品について、技術協力をいただいた修了生の皆様や先生方への「制作作品プレゼンテーション」及び「仮設置の作業時の写真画像等による報告」等を行いました。
この作品は、現物の「本のダミー」をタブレットPCをとおして覗くと、模型から3Dスキャナでデータ化したCGのバスが浮かび上がり、そのバスをタップすると「本のダミー」の周りを周回して本に戻っていくアニメーションが展開されます。アニメーション自体はうまく言っているのですが、周回すると縦位置の座標が少しずれるというバグがあり、その原因を修了生の皆様とその場で議論しながら修正を行いました。
訪問した1年生にとってみれば、修了生の皆さんの技術力の高さに触れるよい機会となりましたし、今後の進路選択等にも大いに参考になったものと思われます。
この活動の実施後は、筑波技術大学のオープンキャンパスが同時に行われていたことから、修了生の皆様に学内の各所を案内していただきました。筑波技術大学の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございます。
小樽文学館でのAR作品の仮設置:情報デザイン科の授業風景
令和5年7月17日(月)、筑波技術大学との連携授業の一環として行っているAdobeAeroを利用した小樽文学館展示用のAR作品について、専攻科学生が現地での仮設置作業を行いました。
学校祭等の展示用に校内でもインスタレーション作品の一部として仮設展示を行いましたが、インスタレーション作品を展示する際には、現地の環境的要因に多くく左右されます。ですので、これまでに制作された作品を実際に現地に持ち込んで設置し、こちらの狙いにあった展示が可能かどうかの検証作業は、必須のものとなります。
この作品は、現物の「本のダミー」をタブレットPCをとおして覗くと、模型から3Dスキャナでデータ化したCGのバスが浮かび上がり、そのバスをタップすると「本のダミー」の周りを周回して本に戻っていくアニメーションが展開されます。
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ここで使う本のダミーは、展示時は開いたままにしておくのですが、実は表紙部分もかなり作り込んでいます。最初は、本を開いたときにトリガーが作動し、アニメーションが始まることが当初は考えられていたためです。 ただ、全体の構造がわかりえない一般のお客様を対象にする場合、「どれくらい何も理屈が分からなくても、こちらの狙いどおりに操作ができる」インターフェースをデザインし、準備することが重要にいなってくるため、このような方法を取ることにしました。かなり作り込んでいたので残念ではあるのですが、実際には見えない部分を作り込んでおくことも、それはそれで表現としてはありなんだろう、ということで、ひとまず妥協することといたしました。
学校と比較し、比較的水平面が検出されやすかったり、背景のスチレンボードの陰影がはっきり浮かびやすかったりと、展示の環境としては非常に秀悦であることが確認できまし検証作業を繰り返しつつ、8月19日の公開に向け、いよいよ制作は最終の工程に入ったと言っていいでしょう。
高聾祭ディスプレイ:情報デザイン科の授業風景
今年度の高聾祭ディスプレイは、「Conceptual Art&Augmented Reality」をテーマに制作を進めました。
具体的には、アメリカのコンセプチュアル・アーティストであり、現代美術の分野で重要な存在であるジョセフ・コスースの作品群の表現手法を引用しつつ、昨年度から授業に教材として組み込んでいるAdobeAeroによる拡張現実(Augmented Reality, AR)との関連を探っていく活動が中心となりました。
ジョセフ・コスースの代表作である「One and Three Chairs(椅子とその表現)」においては、実際の椅子、椅子の写真、そして椅子の定義を示すテキストが同時に示されます。これらの間には、それぞれが異なる表現方法ではあるけれども、「chairs」という要素自体は共通して根底に流れています。結局、全てのものの上位概念であるobjectsは、人間の認識の枠組みの中においてのみ存在しうる要素としては共通しているわけです。
そして、ARは、コスースが具体的なものの並列により、そのオブジェクト間の関係性を暗喩しようとしたのに対し、極めて明示的に概念と表現の関係性を提示します。裏を返せば、コスースが行おうとしていたことは、現代の拡張現実そのものであるとも言えるかもしれません。アナログ表現によるメタファーを駆使し、コンピューターによる表現が難しかった時代において、相の異なるもの同士の並列という、一見単純ではある手法によって、人間とものの間の関係性、認識の有り様といった部分に深くアプローチしようとしていたのではないでしょうか。
今回のディスプレイにおいては、ジョセフ・コスースの作品における理念を借用し、改めてその表現の価値を「もの・画像・言語」という3つの要素の並列という表現手法により確認することを試みました。そして、言語表現においては、文字ではなく、意味構成上、文法的な要素が極めて重要であることを明示する必要があることから、数年来、専攻科情報デザイン科で取り組んでいる「江副式日本語教授法」により重箱上に節を階層化した図を併置することにしました。
加えて、昨年度から取り組んでいるARによる手法も、一部の作品で組み込むことを試みています。「もの・画像・言語」=「拡張現実」という図式が成り立つのかどうか、極めて実験的な取り組みではありますが、あえてこのディスプレイ制作の枠組みの中で挑戦してみることにいたしました。
この取組が結果として作品として成立し得たかどうかは、対象となる鑑賞者の手に委ねられると思いますが、専攻科情報デザイン科の各科目における横断的で総合的な学習として、表現と言語の関係を深く考察する機会になったことは間違いないものと思います。
3年ぶりの校外学習:情報デザイン科の授業風景
令和5年6月9日金曜日、北海道高等聾学校専攻科情報デザイン科では、3年ぶりとなる校外学習を行いました。2箇所訪問させていただいております。
1箇所目は、札幌市内の美術予備校になります。本校の学生数ではなかなか推し量ることのできないデッサンの到達度について視覚的に確認することが目的です。参加した学生もこれまでにない緊張感を味わっていたのではないかと思います。
2箇所目は、手稲区の印刷工場になります。札幌市内でも数件しかない、オフセット輪転印刷機を持った工場で、非常に大規模な印刷を行っています。ここの訪問の目的は、本校で学ぶDTP、グラフィックデザインは、オフセット印刷を前提としたデータ作成を行う必要がありますが(分版やトンボ、殖版等)、本校には印刷機がないため、その実際を見学し、データ作成及びデザインに活かしていくことになります。
ここも普段は見ることのできない(普通の見学では見ることが難しいそうなことも含め)内容について、「デザインを専門に学ぶ学生」のために相当深い部分まで見学させていただきました。巨大なロール紙、熱風が吹き付ける乾燥機、印刷機の速さ、どれをとってもデザイナーが知るべき「驚き」に満ちていたものと思います。
御協力いただいた皆様の御厚意に改めてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
令和5年度の筑波技術大学との連携授業:情報デザイン科の授業風景
令和5年(2023年)6月20日(火)から、専攻科情報デザイン科では、令和5年度の筑波技術大学との連携授業を行っています。
昨年度から継続し、AdobeAeroを利用した拡張現実(AR)に取り組んでいます。特筆すべきなのは、今回の授業内容が、市立小樽文学館の企画展示と連動していることです。制作した作品が、実際の展示の一部として組み込まれることになりますので、非常にシビアな仕事が要求されます。
また、今回の制作においては、昨年度本校専攻科を終了された筑波技術大学在学中の学生の皆様にも技術的な支援を頂いています。今年の3月までは同じ学びやで過ごしていた先輩ですが、技術的な面や拡張現実の考え方について、Zoomを利用し、オンラインで助言を受けつつ、制作を進めました。
これまでの取組についてさらに拡張し、本校が所在する地域の社会資源とも連携を図る取り組みとなっています。今週と来週の2回の授業が制作活動にあてられる予定になってなっています。充実した活動となるよう期待したいところです。