活動の紹介・新着情報

市立小樽文学館でのARイベント:情報デザイン科の授業風景

市立小樽文学館でのARイベント:情報デザイン科の授業風景
令和5年10月27日金曜日、専攻科情報デザイン科では、筑波技術大学とAR展示に係る技術協力を行った市立小樽文学館の「人喰いの時代展」展示会場内において、市立小樽文学館の御厚意により、これまでに授業で制作してきたAR作品展示によるミニイベントを開催させていただきました。
筑波技術大学との連携授業において蓄積してきたAdobeAeroによるAR制作の技術を生かした作品を中心に、7月の「高聾祭ディスプレイ」で展示した石膏像やフォントのAR作品、格闘ゲームばりのキャラクターの動きを再現したAR等を文学館内部に展示いたしました。
日常の展示空間がARにより異化され、非常に刺激的な空間に変貌すると同時に、小樽文学館のノスタルジックな空間と先鋭的なデジタル映像が拮抗し、緊張感のあるフレームを生み出すことに成功したと思います。
また、筑波技術大学の3Dスキャンの技術協力により再現された「人喰いバス」におけるバス本体ARも合わせて展示いたしました。QRコードを読み込むことで、スマートフォンの画面に現れるバスの車体は、客室内部まで精緻に再現されており、画面を見ながら車体に近づいていくと、実際に乗車しているような感覚を味わうことができます。
来場されたお客様には、その技術力の高さに驚かれている方も多く、学生にとっても大いに刺激となりましたし、専攻科情報デザイン科の授業内容を学校外部の皆様にお伝えする非常に良い機会となりました。
御協力いただいた、筑波技術大学の皆様、市立小樽文学館の皆様には、貴重な機会を与えていただいたことに対し、改めてお礼申し上げます。

文化庁ユニバーサル公演事業「手話狂言」:情報デザイン科の授業風景

令和5年9月8日金曜日文化庁ユニバーサル公演事業として日本ろう者劇団が来校し、手話狂言の公演並びにワークショップ等を行いました。
本事業は、専攻科情報デザイン科の授業の一環としてカリキュラム上は位置付けられていますが、またとない非常に貴重な機会であり、本科の生徒の皆様にも参加いただく枠組をつくった上で事業を実施いたしました。
当日は、朝から専門の業者による体育館への舞台設営が行われ、非日常感が充満した雰囲気の中、演目「附子」が演じられました。
日常の手話表現とはまた違った、非常に形式的な表現が特徴ですが、様式がしっかり固まっているが故、開演前後は、生徒の皆さんも緊張気味でしたが、途中の休憩時間では、演目中の太郎冠者と次郎冠者の手話を真似しながら会話をしていたりとか、砂糖の色が何かしっかり読み取れていたり等、公演を楽しんでいる様子が伺えました。やはり、形式が多少の変更を伴っていたとしても、ろう者が使用する手話であるが故、その核となっているフレームを共有することができるんだろうなと、改めて感心した次第です。
あと、声と手話一致させていることについては、声に合わせて手話、または、手話に合わせて声、ということではなくて、そもそもその同じタイミングになるように形式がしっかりあり、その練習をしっかり行っているからこそ可能になるものということだそうです。ある意味、音楽のオーケストラと同じ感覚なのかもしれません。両モードの経時的な間が常に一定だからできる芸当であり、形式ががっちりしているからこそ、それが可能となるのだとだと思われます。改めて、表現の奥深さを考えさせられます。

「人喰いの時代」展におけるAR設置作業:情報デザイン科の授業風景

令和4年8月17日火曜日、市立小樽文学館で19日土曜日から開催される「人喰いの時代」展におけるAR展示の最終設置作業を行いました。
この展示は、AdobeAeroを利用したAR作品を利用した一種のインスタレーションであり、コラボレーションの範囲も、技術的に追求した範囲も、これまでの枠組みを大きく超えたものとなりました。
この日は、展示作業のため館内全体が休館となっており、他のブースの作業が進捗していく中、与えられたスペースにおける展示作業を専攻科2年生が中心となり、進めました。
この展示は、市立小樽美術館で10月29日日曜日まで行われます。

ユニバーサル公演ー日本ろう者劇団来校ー:情報デザイン科の授業風景

令和5年8月21日月曜日の5、6校時に、専攻科情報デザイン科では、文化庁のユニバーサル公演事業の枠組みを利用し、日本ろう者劇団をお招きした授業を行いました。この授業においては、本科1年生から3年生までの生徒にも参加していただき、教育課程が異なるため扱う授業名は異なるものの、貴重な学びの機会として利用していただくことといたしました。
前半は、演劇表現の多様性について、後半は、狂言の基礎知識や動き方等についてのワークショップを行いました。日本ろう者劇団のワークショップは、必ずしも「聾学校」が多いわけではないようですが、今回は同じ言語を共有する場となることで、いつもとはまた異なるメニューを組んでいただき、非常に有意義な活動となりました。
本公演の手話狂言は9月8日金曜日に同じく本校で予定されています。

高聾祭ディスプレイ:情報デザイン科の授業風景

今年度の高聾祭ディスプレイは、「Conceptual Art&Augmented Reality」をテーマに制作を進めました。
具体的には、アメリカのコンセプチュアル・アーティストであり、現代美術の分野で重要な存在であるジョセフ・コスースの作品群の表現手法を引用しつつ、昨年度から授業に教材として組み込んでいるAdobeAeroによる拡張現実(Augmented Reality, AR)との関連を探っていく活動が中心となりました。
ジョセフ・コスースの代表作である「One and Three Chairs(椅子とその表現)」においては、実際の椅子、椅子の写真、そして椅子の定義を示すテキストが同時に示されます。これらの間には、それぞれが異なる表現方法ではあるけれども、「chairs」という要素自体は共通して根底に流れています。結局、全てのものの上位概念であるobjectsは、人間の認識の枠組みの中においてのみ存在しうる要素としては共通しているわけです。
そして、ARは、コスースが具体的なものの並列により、そのオブジェクト間の関係性を暗喩しようとしたのに対し、極めて明示的に概念と表現の関係性を提示します。裏を返せば、コスースが行おうとしていたことは、現代の拡張現実そのものであるとも言えるかもしれません。アナログ表現によるメタファーを駆使し、コンピューターによる表現が難しかった時代において、相の異なるもの同士の並列という、一見単純ではある手法によって、人間とものの間の関係性、認識の有り様といった部分に深くアプローチしようとしていたのではないでしょうか。
今回のディスプレイにおいては、ジョセフ・コスースの作品における理念を借用し、改めてその表現の価値を「もの・画像・言語」という3つの要素の並列という表現手法により確認することを試みました。そして、言語表現においては、文字ではなく、意味構成上、文法的な要素が極めて重要であることを明示する必要があることから、数年来、専攻科情報デザイン科で取り組んでいる「江副式日本語教授法」により重箱上に節を階層化した図を併置することにしました。
加えて、昨年度から取り組んでいるARによる手法も、一部の作品で組み込むことを試みています。「もの・画像・言語」=「拡張現実」という図式が成り立つのかどうか、極めて実験的な取り組みではありますが、あえてこのディスプレイ制作の枠組みの中で挑戦してみることにいたしました。
この取組が結果として作品として成立し得たかどうかは、対象となる鑑賞者の手に委ねられると思いますが、専攻科情報デザイン科の各科目における横断的で総合的な学習として、表現と言語の関係を深く考察する機会になったことは間違いないものと思います。